分析機器

酸化プロセスシュミレーションツールとして、Antec社の電気化学検出器(DECADE II)の技術を応用して製作された機器がROXY ポテンショスタットです。この装置のセル内で酸化された試料がオンラインにてMS(質量分析計)で検出されます。
ROXYでは、オンラインでMSと接続してミミック代謝シミュレーションができます。

従来から行われている酸化を伴う薬物代謝はin-vivo(尿中、血漿中)、in-vitro(ミクロソーム)による分析法が主流ですが、どちらも煩雑で時間がかかります。このため、電気化学的手法を用いたミミック代謝は簡便かつ低コストな方法として注目を集めています。
この図は、医薬品シミュレーションの例です。アモジアキンを例にとり、ROXYでのセルポテンシャルと各構造式の関係がMSボルタノグラムに表現されています。
各設定電位における試料の酸化状態の変化をマスクロマトグラムとしてまとめたものです。電位の変化に応じて構造が変わりスペクトル上で変化している様子がわかります。
ROXY導入にあたって様々なメリットがあります。
1) 短時間で薬物や生体異物の代謝プロファイル決定へのアプローチが可能
ROXYではセル内で試料を電気的に酸化し、生体内における薬物代謝状態に近い状態を作り出します。
シリンジポンプで試料をROXYに送液し、酸化させるとともに、もう一方のラインからGSHを送液し、酸化した試料とコンジュゲーションします。この結果はMSにてモニターします。
2) ドラッグプロテイン結合による迅速なリスク評価
TOF/MSでのスペクトル
(a) β-lactoglobulin A(LGA)標準品
(b) LGA paracetamolとの反応後
(c) LGA amodiaquineとの反応後
(d) LGA clozapineとの反応後
薬物とタンパクが電気化学的にオンラインで結合し、その生成物のMSスペクトルが得られています。
3) MS分析におけるシグナル増大
環境分野の多環芳香族の例:
MSで直接モニター(上)。MS測定直前に1.6Vの電圧をかけることで試料の構造が変化し、各成分のモニターができています(下)。
プロテオミックスでの例:
FEM N(2-フェロセン-エチル)マレイミドをROXYセル内にて電圧をかけインシュリンにラベルし、感度を向上。スペクトルもしっかり出ています。
4) DNA酸化損傷、タンパク質の電気化学的開裂
タンパク・ペプチド開裂では、酵素等を使用して特定の配列を切っていきますが、ROXYを用いると、酵素が不要かつ短時間で処理を行うことができます。
5) DNAの酸化によるダメージ
「核酸を含む酸化プロセスの電気化学的シミュレーションのエレクトロスプレーイオン化MSによるオンラインモニター」というタイトルの文献があります。
Dr. Herbert Obercher, Institute of Legal Medicine, Innsbruck Medical University, Muellerstrasse 44, 6020 Innsbruck, Austria
DNAがかけられる電圧によって損傷を受けることが認められます。
6) μ-プレップセル(オプション)により分取が可能
μg量の分取によりNMR構造決定が可能
試料吸着は極少
簡単・迅速な作用電極メンテナンス
※詳細は、μ-PREPCELL - A NOVEL TOOL FOR EFFICIENT METABOLITE SYNTHESISをご覧下さい。
リアクターセルとμプレップセルの試料キャパシティの違いについてのスタディです。
ROXYは2010年ドイツAnalyticaの分析機器部門で最も革新的技術を持つ製品として金賞が授与されました。
[問い合わせ先]
株式会社エル・エム・エス 科学機器事業部
TEL: 03-5842-4301 FAX: 03-3811-3212
email: kagaku@lms.co.jp
※(株)エル・エム・エスはAntec ROXYの正規日本代理店です。
メーカー名: Antec(アンテック)